マンボウ

2018年12月4日

標準和名:マンボウ

英名:Ocean sunfish
学名:Mola mola
別名/地方名:ウキキまたはウキギ(浮木魚:東北)、マンボ(尾鷲)、ウオノタユウ(瀬戸内海)、クイザメ(富山)

マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30

マンボウを見たさに志摩マリンランドへ行ってきました。
その特徴ある体型ととぼけた表情で悠然と漂う姿は独特です。

マンボウの魅力と特徴

マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30

マンボウは温帯から熱帯にかけての外洋性の魚で、沖合いの水深30~70m程のところに多く見られますが、水深500mといった深海でも観察されていて垂直方向の生息域はよくわかっていないようです。

大きな分類上はフグの仲間で、他のフグ同様に腹ビレはありません。一般的な魚でいう後端の尾ビレが無く舵ビレと呼ばれます。この舵ビレは背側の背ビレと腹側の尻ビレとつながっていることがレントゲンで確認されているそうです。

もう一つフグに似た特徴として、小さめの口で歯はくちばしのような板状であると事前の調べで書かれていました。かなりしつこくのぞき込んだり、口もとばかり相当な枚数を撮りましたが上手く撮れていませんでした。(次の機会に再チャレンジしたい)

マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30

浮袋が無く体のわりに各ヒレが小さいこと、また可動域も狭いため素早く泳ぐことは苦手とされ泳ぐというより漂うという表現の方が適切かもしれません。

マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30

愛嬌あるとぼけた表情と特徴ある体型で知られ知名度は高い魚の一種だと思われます。日本書紀にも記述があるとの説もあり古来より知られた存在だったようです。現在でもマンボウのイラストが描かれたグッズも多数見られ人気度は高いと考えられます。

マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30

そんなマンボウですがじかに見る、泳いでいる姿を見る、そういう機会は非常に少ないと思います。

マンボウのいる水族館

私としては過去に2つの水族館でしか見れていません。一つは10年以上前の海遊館(大阪市)。次に見れたのが名古屋港水族館でした。しかし2014年(平成26年)11月に死亡してしまって以来登場していません。

当時の黒潮大水槽での写真ですが「もっと鮮明な写真が撮りたい」と思っているうちに亡くなってしまいました。

マンボウ(名古屋港水族館)撮影日:2014/10/01
マンボウ(名古屋港水族館)撮影日:2014/10/01

今回調べてみましたが過去の展示例はいくつもあるようですが、今現在(2018年11月)展示中という水族館はごく限られているようです。

その一つが志摩マリンランドです。一時は5匹のマンボウが飼育されていたようですが今回私が訪ねた時には2匹のマンボウを見ることが出来ました。

マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30

マンボウ展示が難しいわけ

各地の定置網に入ることもあり写真や映像では珍しいとはいえないマンボウですが展示や飼育をしている水族館が少ないようです。その理由を調べてみるとこんな実情があるようです。

・寄生虫の問題

(自然界では)時々体を横たえて海面を漂い「マンボウの昼寝」といわれる行動をとる。これは鳥に寄生虫を食べてもらうためといわれている。
(出展:小学館の図鑑NEOより)

水族館でもピンセットなどで寄生虫を獲るなどの世話をする例があるようです。この寄生虫がマンボウ自体に、または混泳する他魚にどのような悪影響を与えるのか?まではわかりませんがおいおい調べてみたいです。

・人が手で触っただけで傷つく皮膚の弱さ

定置網などで他の魚と一緒に獲られてしまうことが多いようですが、ここから生きたまま水族館へ運ぶことが難しいようです。一つはその大きさですが、もう一つは人が触っただけで傷つくともいわれる皮膚の弱さから他魚や網と擦れることだけで弱ってしまうそうです。

随分前の海遊館でも今回の志摩マリンランドでも水槽内にビニール状の幕を蚊帳のように張り、ガラス面や壁と接触しないような工夫がされていました。でもこれを行うにはかなり大きな水槽ではないと無理です。

マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
マンボウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
・エサを与える手間

自然界ではクラゲ類、エビ、カニなどを食べているといわれますが水族館ではこれらをミンチ状にして団子のような形で与えることが多いようです。
名古屋港水族館ではこれをダイバーが口先まで持っていって与える方法をとっていました。こうしないとすばしっこい他魚に獲られてしまうのかも知れません。いづれにしても長期飼育は大変な手間がかかりそうです。

現在を含め過去に展示例のあった水族館

現在見ることが出来る水族館というわけではありませんので注意してください。展示されていたことがあるという方が正確かも知れません。

仙台うみの杜水族館(宮城県仙台市)
アクアワールド茨城県大洗水族館(茨城県東茨城郡大洗町)
鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)
サンシャイン水族館(東京都豊島区)
下田海中水族館(静岡県下田市)
志摩マリンランド(三重県志摩市)
越前松島水族館(福井県坂井市)
海遊館(大阪府大阪市)
海響館(山口県下関市)
高知県立足摺海洋館(高知県土佐清水市)
・マリンカルチャーセンター(大分県佐伯市)
※2018年(平成30年)4月1日より休館
いおワールド(鹿児島県鹿児島市)

マンボウの卵と稚魚

これは今後も(日本の水族館で)飼育展示が見られるかどうかという視点で上げておきます。

マンボウは1度の産卵で3億個ともいわれるたくさんの卵を産むことで有名です。
多くの魚が海藻帯や岩場で産卵を行います。この理由は卵が流されにくいことや、卵や稚魚の隠れ場所が豊富で生き延びる可能性が上がるということだと思います。

ところがマンボウは海中を浮遊しながらばらまくように産卵するそうです。体型からも遊泳力が弱いので大多数は他魚に食われるなどの理由でごく僅かなものしか成長出来ないと考えられています。

さらにクラゲをエサとして常食しているマンボウですが、ビニールなどを誤食して死んでしまう例もあるようです。

たくさん産まれるからうじゃうじゃと居る、次々入手できるから展示が増えるというふうにはならないようです。

次に稚魚のこと。卵からかえったばかりの稚魚には、ほかの魚のような尾ビレがあるようです。体表には5本の針上の突起があり成長につれて成魚のような体系へと変化していくということまでわかっているそうです。

どこかの水族館で稚魚に出会えたら嬉しいです。

 

外部リンク Wikipedia(マンボウへリンク
最終投稿日:2018/12/05


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