トビハゼとミナミトビハゼの見分け方

トビハゼとミナミトビハゼの違いと見分け方(ついでにムツゴロウも)

【訂正あり 注意!】
文中の内容に誤りがあったようです。ご注意ください。
後日正確な内容にしていくよう努めます。

とび出た目玉でひょうきんな表情のお魚。水中だけでなく干潟や岩や木の根に登ったり陸上でその姿をさらしていることも少なくありません。

トビハゼ(名古屋港水族館)撮影日:2018/11/08
トビハゼ(名古屋港水族館)撮影日:2018/11/08

考え事?、リラックスしてるのか必死でしがみ付いているのかわかりませんね。

トビハゼ(アクア・トトぎふ)撮影日:2018/07/27
トビハゼ(アクア・トトぎふ)撮影日:2018/07/27

完全にダラけてます。夏の暑い時期だったので壁のひんやりした感触を楽しんでいたのかもしれません。

ミナミトビハゼ(竹島水族館)撮影日:2018/11/04
ミナミトビハゼ(竹島水族館)撮影日:2018/11/04

写真が沢山あるように、私が良く行く水族館ではどちらかは通年見ることが出来そうです。

先日思いがけずムツゴロウの写真が撮れたので「トビハゼとどこが違うん?」と過去写真を漁っていました。良い機会なのでムツゴロウを交えてトビハゼミナミトビハゼとの違いを自分用メモ(※注)としてまとめておきます。
(※注:学術的に正しいかどうかは保証しません)

ミナミトビハゼ

大きさ的には一番小さいようです。Wikipediaによれば9cmほどと紹介されています。しかし並べて比較するのでなければトビハゼと大小での判断は困難です。ムツゴロウは20cmオーバーも居るようなのでこの大きさなら判断付きそうです。

体色は一番濃く見えるように思いますが、各水族館の照明の具合であまりあてにならない気がします。茶色から褐色の地肌に白っぽい点々があり鱗は大きめに見えます。

生息域は日本でなら琉球列島、これより南の海域で亜熱帯・熱帯。河口のマングローブ帯などの汽水域のようです。

私は学者ではないので「マングローブ帯の生きものと混泳しているからミナミの方だろう。」とか勝手に決めつけてしまうことが良くあります。いい加減な情報をSNSで流してしまってから「大丈夫かな、、、」と思うことも多々あり。

と思っていたところ最近やっと下の写真が撮れました。

ミナミトビハゼ(伊勢シーパラダイス)撮影日:2018/11/30
ミナミトビハゼ(伊勢シーパラダイス)撮影日:2018/11/30

背中の前後に二つある背ビレに注目すると、第一背鰭の前端が尖り黒っぽい線で縁取られています。後で述べるトビハゼの背ビレとは明らかに異なります。

【2018/12/18追記と訂正】
上の写真ですがSNSの方でPeriophthalmus novemradiatusのオスだと教えていただきました。
ありがとうございました。

再度調べてみたところWikipediaのトビハゼ-トビハゼ属にPeriophthalmus novemradiatusというのが見つかりました。タイやインドあたりに生息していると教えていただいた内容と一致しています。
ちなみに、ミナミトビハゼの学名はPeriophthalmus argentilineatusとなってます。

一方、Wikipediaのミナミトビハゼのページを見ると学名はPeriophthalmus modestus Valenciennes,1837となっていたりで私にはよくわかりません。

また一つもやもやポイントが見つかったと何故だか喜んでいる自分が居ます。
今度改めてミナミトビハゼの姿を見たり、図書館にでも行った時に調べてみたいと思います。

トビハゼ

大きさ的にはミナミトビハゼより少し大きいようです。Wikipediaでもこちらは10cmほどと紹介されています。しかし並べて比較するのでなければミナミトビハゼと大小では判別付きません。ムツゴロウは20cmオーバーも居るようなのでこれは大きさで判断付きそうです。

トビハゼ、ミナミトビハゼの寿命は4~5年。一年で死んでしまう魚からみれば長生き(?)ですから成長度合いによっても大きさが違ってくるはずです。つまり大きさだけで見分けることは無理ではないかと思っています。

体色は黄土色というか少しだけ黄緑っぽい褐色に見えることがあります。これも各水族館の照明の具合であまりあてにならない気がします。褐色の地肌には点々がありますがキラキラした輝点は見られません。鱗は小さいのかヌメっとした感じに見えます。

生息域は日本でいうと東京湾から九州、沖縄と広い生息域で、朝鮮半島、中国沿岸や台湾。

ミナミトビハゼとは生息域が異なる為に、水槽の水温管理の理由もあって混泳していることは無いようです。名古屋港水族館ではトビハゼは伊勢湾水槽、ミナミトビハゼはマングローブ水槽で常設展示されています。

私は学者ではないので「日本周辺の河口域を模した環境で展示されているならトビハゼだろう」とか勝手に決めつけていました。ボラの稚魚やテナガエビなどと良く一緒に入っています。

と思っていたところ最近やっと下の写真が撮れました。

トビハゼ(碧南海浜水族館)撮影日:2018/11/23
トビハゼ(碧南海浜水族館)撮影日:2018/11/23

背中の前後に二つある背ビレに注目すると、第一背鰭の前端が尖りが無く扇のように丸くなっていて薄褐色または白っぽく縁取られる

図鑑などの資料によれば岩などに張り付く吸盤状の腹びれにも違いが有るそうですが「手に取って裏返して見る」というのは自然界や水族館での観察では無理ですね。

ムツゴロウ

先日行った志摩マリンランドで展示用に作られた人工干潟にムツゴロウがいました。事前の調べでは気が付かなかったので予想外の生きものに出会えたことが嬉しかったです。

ムツゴロウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30
ムツゴロウ(志摩マリンランド)撮影日:2018/11/30

地元の水族館で見慣れていたトビハゼやミナミトビハゼより明らかに大きな個体でしたがムツゴロウにだって赤ちゃん、子供時代があったはずです。しかも寿命は7~8年といわれますから成長度合いによっては大きさだけで判断が出来ない場合(年齢によって)もあるはずです。

この時には写真に撮れませんでしたがやはり背ビレに特徴があるようです。資料によれば第一背鰭にトゲ状の伸びた部分があるそうです。いつか写真に撮ってみたいものです

それ以外には、やや青みのかかった灰色で青っぽい輝点がある、干潟を飛び跳ねるように移動することが出来るなどが特徴。

共通の特徴として皮膚呼吸が出来る

ミナミトビハゼ、トビハゼ、ムツゴロウの3種に共通していることとして干潟の浅瀬だけでなく完全な陸上にも上がってきます。

水陸両生魚というのだそうですが、水中でのエラ呼吸だけでなく皮膚呼吸が出来る特技を持っているようです。少し調べてみると口の中に含んだ水で口腔内や鰓からの呼吸、それに加えて体表についた水分から皮膚を通して呼吸しているようです。したがって干からびるほど長時間の上陸は無理ですが陸上での捕食に役立てているようです。

 


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